第19回 山梨大学 整形外科セミナー

2019年11月30日、第19回整形外科セミナー

2019年11月30日に第19 回整形外科セミナー「テーマ:整形外科最新治療」が甲府アピオ本館で開催されました。今回は山口労災病院脊椎脊髄病センター 長の寒竹司先生、横浜市立大学整形外科主任教授の稲葉裕先生、京都大学大学院医学研究科整形外科学教授の松田秀一先生を講師にお招きし、約70 名の多くの方にご出席いただきました。運営をお手伝いいただいた先生方、本当にありがとうございました。

寒竹先生には「圧迫性頚髄症の診断と治療:最近の進歩と今後の課題」の演題でご講演いただきました。脊髄モニタリング、特に、電気診断の意義についてのお話をいただきました。電気診断では、圧迫性頚髄症の客観的で定量的な評価が可能であることを、また、術中誘発電位では障害高位の診断のみならず、障害進展パターンについても臨床研究で得た知見に基づき解説いただきました。

稲葉先生には「小児歩容異常と下肢アライメント異常:診断から治療までの対応」をご講演いただきました。進行方向に対する足軸角(toeing-in, toeing-out)による歩容異常が起こる様々な要因(下肢のアライメント(変形、捻転)、関節可動域制限、筋力不均等、突発性)に分けて、歩容の動画とともに1つ1つわかりやすく解説していただきました。また、Blount病の診断、XP経過についても詳しく教えていただきました。

松田先生からは「高位脛骨骨切術の適応と手術手技」をご講演いただきました。

変形性関節症のphenotype別(軟骨、滑膜、軟骨下骨、機械的負荷)要因に分けて、それぞれの治療方法とHTO手術適応について解説していただきました。次にHTOとUKAの選択について OAグレード、アライメント、年齢による適応、長期成績と再手術の危険因子のエビデンスとともにお話しいただきました。最後に、HTOの目指すべきアライメントについて、臨床成績とコンピューター解析による筋骨格モデルの最新の知見から方向性を示していただきました。

セミナー終了後は講師の先生方、座長の先生方で懇親会を行いました。お忙しい中わざわざご講演いただき、懇親会まで出席してくださった講師の先生方には本当に感謝したいと思います。共催いただきました、山梨大学整形外科セミナー、山梨県薬剤師会、山梨県病院薬剤師会、武田薬品工業株式会社、久光製薬株式会社、あゆみ製薬株式会社、および当日お手伝いを頂いた先生方にはあらためて感謝申し上げます。

次回は 2020年5月9 日に第20 回整形外科セミナーを開催予定 です(場所:未定)。皆様、お忙しいと思いますがご参加・ご協力のほどよろしくお願いいたします。