足の外科班

足の外科診では足関節~つま先までの部分の様々な疾患を扱います。足、足関節は日常的に体重がかかるため年齢を問わずトラブルが生じやすい部位です。

先天性のものからスポーツ障害、外傷、変性疾患、麻痺性疾患などその内容は多岐にわたり、診断・治療には専門的な知識が必要となります。

足のトラブルでお悩みの方はぜひご相談ください。

担当医師:若生政憲
外来日:金曜日午前中

主な対象疾患

  • 変性疾患:外反母趾、強剛母趾、変形性足関節症、扁平足(後脛骨筋機能障害)
  • リウマチ足
  • 骨端症:ケーラー病、フライバーグ病など
  • 過剰骨障害:有痛性外脛骨、三角骨障害など
  • 外傷:足関節外側靱帯損傷、骨折、距骨滑車骨軟骨損傷、アキレス腱断裂(陳旧例を含む)、腓骨筋腱脱臼など
  • 麻痺足
  • 糖尿病足

著書

下肢のスポーツ外傷と障害
整形外科外来で注意すべき小児の臨床所見

外反母趾

母趾が付け根から外側に向かって変形し、靴の中で付け根が圧迫されて痛みを生じる疾患です。10代から変形が生じるタイプと30代後半から起こるタイプがあります。

<原因>
明確な原因はわかっていませんが、第2趾より母趾が長いタイプの足で外反母趾になりやすいです。また、扁平足とも密接な関係があり、足のアーチが崩れると外反母趾を生じやすくなります。靴やハイヒールも大きな原因の一つで、これらに加齢による筋力低下や肥満が加わって外反母趾を発症すると考えられています。

<治療>
軽度の外反母趾であれば、保存治療として靴の調整や足部の体操を行い経過を見ます。装具も変形が軽度の場合には効果があり進行を予防することができます。
高度の変形の症例や保存治療に抵抗する場合は手術を行います。外反母趾の手術には様々なものがありますが、当院では主に中足骨の近位部骨切りを行っています(下図)。

変形性足関節症

足関節は体重がかかる関節なので、膝関節や股関節と同様に年齢とともに関節軟骨がすり減り、関節の変形や痛みを生じることがありこれを変形性足関節症といいます。

<原因>
過去の外傷が原因のことが多いですが、明らかな外傷歴がないのに年齢とともに関節の変形が進んでくる場合もあります。

<診断>
X線検査で関節の隙間(軟骨のすり減り)の程度で進行度を判断します。

<治療>
ごく初期の場合は外用薬や足底板での保存治療を行います。日本人では足関節の内側にすとれるが集中するパターンが多いので外側を高くした足底板でストレスを分散させることで症状が軽減することがあります。
中程度の変形の症例では関節機能を温存した骨切術を行います(下図)。
関節軟骨の損傷度合いの強い重症例には関節固定術を行っています。足関節の可動域げやや制限されますが、足部が安定し疼痛がなくなります。症例に応じては鏡視下に(内視鏡を用いて)低侵襲に関節固定術を行っていて良好な成績を得ています。

有痛性外脛骨

外脛骨は舟状骨の内側にある過剰骨(余分な骨)であり、2割くらいの比較的多くの人に見られます。無症状のまま経過して本人もその存在に気付かないことも多いですが、激しい運動や捻挫を契機に痛みが出たものを有痛性外脛骨と呼びます。

<診断>
外脛骨の位置によって分類され、外脛骨が本来の舟状骨と近いタイプで症状が出ます。

<治療>
初期には外用薬や安静で様子を見ます。縦アーチを付けた足底板も外脛骨につながる後脛骨筋の緊張が緩むために効果があります。
保存治療で改善しない場合は手術を行います。
思春期までの若年例では外脛骨から舟状骨まで数か所穴をあけ外脛骨と舟状骨の骨癒合を図る低侵襲な手術を行います。
成人例では外脛骨を一度切離して、舟状骨を短縮骨切りしたのちに外脛骨と舟状骨をスクリューで固定する手術を行っています(下図)。

腓骨筋腱脱臼

足関節の外果(外くるぶし)の後方を走行する腓骨筋腱が外果を乗り超えて脱臼するもので、疼痛や脱力をきたします。

<原因>
外傷によるものが最も多いが、その背景に骨形態や筋肉の破格などが関与している報告もある。

<診断>
足関節捻挫と誤診されて見逃されることもしばしばあり注意を要する。反復する例では随意性に腱を脱臼させることができる場合もある。

<治療>
新鮮例ではまずはギプス固定を行うが、再発例も少なくない。
陳旧例や反復する場合は手術を行います。当院では腓骨筋腱が収まる部分の骨の形成と腱鞘・支帯(腱を抑える膜)の修復を同時に行う方法で良好な成績を得ています(下図)。術後3か月程度でスポーツ復帰が可能です。