第8回 山梨大学 整形外科セミナー

2013年11月9日に第8回整形外科セミナー

「整形外科の再診知見:上肢、下肢の外科と安全対策」がアピオで開催されました。今回の講師は京都大学の松田教授、東京医科歯科大学の大川教授、防衛医科大学校の根本教授でした。参加者は医師54名、薬剤師14名、看護師2名、理学療法士1名で全 71 名と過去最高の参加者数でした。薬剤師参加をご提案くださった天野先生、有難うございます。松田教授は「人工膝関節置換術:現在推奨される手術手技」について講演いただきました。人工膝関節について造詣が深く、人工膝関節の動態や、人工関節設置位置が及ぼす影響などについて文献およびデータに基づいて非常に詳細に示していただきました。情報量が非常に多く、すべてを吸収することはできませんでしたが、日頃疑問に思うことの答えをいくつか見つけることができました。また、普段より行っているTKAについても考え方に間違いがなかったことも自信となりました。九州大学はセメントレスTKAを用いており、一方、京都大学はセメントTKAを用いていることから松田先生は現在どちらを用いているのかを懇親会で伺いました。答えは「私一人だけがセメントレス TKA です。」、御苦労されているのだと感じる瞬間でした。大川先生には「システムで管理する整形外科の患者安全」をご講演いただきました。私が東京医科歯科大学留学中にお世話になったこともあり座長を務めさせていただきました。医療安全についての講演はほとんど聞いたことがなく興味深いものでした。8講演に示された THA 合併症症例は留学時に経験したもので、400 例もTHAをすると1~2 例は予測も予防もしきれない合併症が生じうることを思い出させられました。根本先生には「手の感染症」をご講演いただきました。感染鎮圧のために潅流方法を考案、実践する能力・胆力に感服しました。昔は潅流液に抗菌剤を混注していたと聞き、当院でも洗浄する際に生理食塩水にエクサシンを混ぜていたことを思い出し、時代の流れを感じました。