異型紡錘細胞/多形型脂肪性腫瘍(Atypical Spindle cell/ Pleomorphic Lipomatous
Tumor;ASPLT)は様々な分子学的な解析が行われて、新しく分類された脂肪系の腫瘍
です。本症例では、MRIで粘液腫や粘液型脂肪肉腫が疑われ、術前診断は粘液腫との診断でした。
病理組織所見は、骨格筋内を増殖する腫瘍で境界不明瞭であった。粘液腫様の基質を
背景に異型のある紡錘形細胞が増殖していた。
IHCでは、CD34(+)、S100(+)、RB1 Deletionが認められ、FISHでは、MDM2;no
amplification、FUS and EWSR1;no rearrangementであり、ASPLTとの診断になりま
した。ASPLTは様々な腫瘍との鑑別が必要であり、正確な診断のためにIHCやFISHを適宜組み合わせていかないと行けない。