腰椎椎間板ヘルニアに対する新規治療薬を用いた臨床試験について

山梨大学医学部附属病院(研究代表者:波呂浩孝 整形外科学講座教授)は慶應義塾大学病院と共同で、腰椎椎間板ヘルニアの患者さんに対するヒトリコンビナントMMP-7(KTP-001)を用いた椎間板内薬物注入療法の臨床試験を行っております。青壮年層に罹患率が高い腰椎椎間板ヘルニアに対して根治的な治療を行い、症状の早期改善および早期社会復帰を達成する薬剤を開発します。

腰椎椎間板ヘルニアには発症後に自然の経過でヘルニア塊が退縮するメカニズムがあります。私どもは、このメカニズムを研究し、椎間 板ヘルニアには、多くの炎症性細胞が浸潤し、Matrix
metalloprotease (MMP)-3や-7が産生され、炎症の賦活化や椎間板ヘルニアの基質分解に作用することを明らかにしてきました。この知見に基づいてMMP-7を投与することで、ヘルニアの退縮を促進して、症状の改善が期待されると考えられ、我々は産学共同でヒト型組み換え蛋白rhMMP-7を主成分とする新規の化学的髄核融解療法を開発しました。

この試験は安全性と忍容性を確認すると共に、臨床的なPOC(Proof of concept;新しい発見や概念の実証)を取得することを目的としております。本治験は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の橋渡し研究プログラム(支援拠点:慶應義塾大学)の支援を受けて実施いたします。今回の治験に用いる治験薬と治験を適切に実施するための各種手順書が作成されました。2021年10月に山梨大学医学部附属病院治験審査委員会で承認を受け、2021年11月22日に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に治験届を提出し、受領され、医師主導治験を実施しております。慶應義塾大学病院においても、医師主導治験が開始されます。