2014年5月17日に第9回山梨大学整形外科セミナーがアピオ甲府で開催されました。今回も医局員や製薬会社の協力のもとつつがなく進行しましたことに感謝の意を表します。第9回の本セミナーには筑波大学整形外科教授 山﨑正志先生、長崎大学整形外科教授 尾崎誠先生、大阪大学整形外科教授 吉川秀樹先生を講師にお招きしました。参加者は医師57名、コメディカル10名で参加医師数は前回より3名増でした。山﨑先生には「診断治療に注意を要する脊椎疾患について―脊椎腫瘍・小児脊椎病変を含めて―」をご講演いただきました。臨床の現場で遭遇しうる見逃しやすい症例や診断を間違えやすい症例の診断方法・治療方法などを御教授いただきました。また、ロボットのHALで有名な筑波大学ということもあり工学部とも連携しての研究も示されていました。尾崎(おさき)先生は「変形性股関節症の治療戦略」をご講演されました。尾崎先生が私の母校でもある愛光学園高等学校の 8 期先輩であることがわかり、高校の先輩の座長を務めさせていただく貴重な機会でもありました。講演内容は変形性股関節症の疫学から診断・治療までの総論でした。吉川先生には「整形外科が誤診しやすい骨軟部腫瘍」をご講演いただきました。示されたスライドには実際に経験された誤診症例(ご自身の誤診症例も提示されていました)が多く、確かに外来で遭遇した際に見逃す危険性を十分感じるものでした。画像は周りから見る癖をつけるとのアドバイスは誤診予防の技術の1つとして貴重なものでした。また、講演スライド中の各所に視覚的に錯覚してしまうだまし絵(赤ちゃんやイルカが隠れているものなど)がちりばめてあり、先入観は誤診のもとであることも分かり易く教えていただき非常に印象に残るものでした。