第10回 山梨大学 整形外科セミナー

2014年11月8日に第10回整形外科セミナー

「整形外科の未来と治療の変遷」がアピオで開催されました。今回は東邦大学の高橋寛教授、順天堂大学の金子和夫教授、九州大学の岩本幸英教授を講師にお招きしました。参加者は医師53名、研修医1名、薬剤師5名で全 58名であり、医師参加人数はここ数回横ばいが続いております。2015 年度から教育研修会単位は完全にデジタル化されますが、移行期間である今年度は 10 月以降の研修会においては日本整形外科学会より受講証明書の送付がなくなり、本セミナー開催時期には実質完全デジタル化されました。前回の第9回整形外科セミナーからデジタル化を開始してきたこともあり大きな問題なく会を終えることができました。高橋教授から第一演題「脊椎内視鏡手術の現状と未来」についての講演いただきました。低侵襲手術が要求される今日において脊椎外科では当院でも行われている MED についての内容でした。MED は従来の術後経過よりも疼痛が少なく回復が早いとの臨床研究およびマウスを用いた基礎実験やTNF-aやIL-6などのサイトカインも絡めて優位性を示されていました。金子先生から第二演題「変形性関節症およびリウマチ関連疾患の治療変遷と今後の展望」をご講演いただきました。フランスへ留学されていたことからフランス整形外科学会とのつながりが深く、講演日深夜 26 時にはフランスへ出張されるという大変忙しいなか山梨へいらしていただきました。講演内容はフランスの巨星の紹介があり教科書で見かける名前も多く、フランスが整形外科大国であることが知らしめられます。また、人工股関節においては 2012 年から使用可能となっている Dual mobility system についても言及がありました。ポリエチレンの低摩耗化により巨大骨頭が可能となった本システムは脱臼抵抗性もあり有用です。しかし Outer head の可動性がなくなり Inner head が脱転することもあるため使用には注意が必要です。岩本先生から第三演題「わが国の整形外科の現状と未来」をご講演いただきました。日本整形外科学会理事長であられ、2017 年度から開始される新専門医制度について詳しく説明していただきました。整形外科においては各施設を含めた必須研修項目プログラム作成など準備すべきことは多くありますが、専門医認定要件は大きくは変わらないようでした。